私の中絶体験

20代の中絶体験談

Kさん/学生

私は21歳、看護学生です。彼も同じ看護学生です。

産婦人科にて看護実習をしていますので毎日、多くの妊婦さんに出会っています。

今まで、診察・内診・分娩・手術に立ち会って来ました。ですが、私自身、中絶中絶を受ける事になるとは夢にも思いませんでした。

私が中絶を受けたのは、妊娠11週目になってからでした。生理周期が不規則の為、妊娠に気付くのが遅れてしまいました。

妊娠が分かってから、彼に相談をしました。二人とも学生で経済的な事もあり、中絶を選択しました。

産婦人科は初めて受診しました。彼も一緒に着いてきてくれました。

産婦人科では、尿検査・診察・内診の順番で行なわれました。その後、彼と一緒に診察室へ。

先生にお願いをして、彼と一緒に中絶手術が終わるで、横にいれる様にお願いしました。

問診を受け、内診室へ移動。

内診室に入りましたが、逃げ出したい気持ちでいっぱいでした。今なら、患者さんの気持ちが分かります。

内診室は狭く、部屋の真ん中に内診台と隅にかごが置かれていました。仕切りのカーテンごしに看護婦さんの指示でショーツを脱ぎ、かごに入れ、スカートを捲りあげ、内診台に座りました。

看護婦さんに内診台に座ったことを告げると、内診台が回転し、脚を開きながら、上昇して後ろに倒れて行きました。彼の顔が私の顔の目の前にあり、かなりの高さという事を実感しました。かなり怖いです。

下半身のみがカーテンの向こうに。他人に丸々見られていて、自分の内診姿を想像するとあまりの恥かしさに顔が真っ赤になり、泣きたくなりました。

その脚を広げた恥かしい姿で先生が来られるのを数分、待ちました。彼は私の横で手を握り、診察を見守っていました。

先生が来られ、声が掛かり、先生の指が膣の中に入り、観察しているようです。そして、膣の中にクスコが入り、子宮内を観察され、子宮ガン検診までされました。

その後、超音波診断装置の棒状プローべが膣内に入り、胎児の様子を観察しました。少し痛いです。カーテンを開けてくれ、私たちも胎児を見ることができました。

内診は5分程度だったと思います。

内診が終わり、服装を整え、診察室へ。色々な説明があり、そのあと、看護師さんから中絶手術の説明があり、中絶中絶の承諾書を書いて診察を終えました。

中絶手術は私たちの都合で土曜日に行なうことになりました。3日ありましたので、この期間はかなりの不安と産めない赤ちゃんに申し訳なかったです。

彼はいつも私のそばにいてくれました。

中絶手術の前日夕方に入院しました。病室に案内され、パジャマに着替え、内診室へ行き、子宮口を広げるための処置を受けました。

慣れる事の出来ない内診台にショーツを脱ぎで座り、カーテンが閉められず、処置が行なわれました。彼ももちろん、横にいて、処置を見守っていました。

先生の顔が私の足元にあり、かなり恥かしい思いをしました。苦労して、ラミナリアという棒状の樹脂を3本とガーゼが数枚入りましたが、樹脂がなかなか入らず、痛い思いをしました。

痛み止めの坐薬を入れてもらい、ショーツをはき、病室の戻りました。生理痛のような痛みがありました。彼が背中をさすってくれました。

明日の中絶手術の為、絶食絶飲です。彼と色んな話を夜遅くまでしていました。

中絶手術当日。8時過ぎに看護師さんが来られ、浣腸をするとのことで、内診室に移動し、内診台に上がり、浣腸され看護さんに肛門を押さえられ、数分、我慢するように言われましたが、かなりの苦痛でした。内診台の上で排便しました。

実習でも、友達同士で浣腸実習がありましたが、耐えることが出来ず、すぐにトイレに駆け込んだ覚えがあります。

処置が終わり、病室にもどり、パジャマ、下着を全て脱いで、前開きの手術衣1枚に着替えました。

その後、安定剤の注射と点滴を受けました。9時過ぎに彼に車椅子を押してもらい、手術室へ移動しました。

手術室は多くの医療機器とすごい緊張感がありました。中絶手術を受ける人がもう一人いるようで、すでに始まっており、その姿と心電音と叫び声が聞こえてきました。

彼も手術着を着て、手術室に入りました。私は帽子を深くかぶされ、手術台に彼と看護師さんに手伝ってもらい、お尻に吸水パッドが当たるように仰向けに寝ました。

手術着を脱がされ、全裸状態に。胸に心電計、腕に血圧計と新たな点滴、鼻に酸素チューブ、そして、膀胱に導尿管を入れられました。そして、脚を痛いぐらいまで大きく広げられ、固定されてしまいました。

無影灯が下半身に照らされ、膣の周りを剃毛処置を受けました。尿道の周りもハサミで短く切られました。

緊張のあまり、胸はドキドキして心電計は高い数値を示していました。胸から腹まで緑の布が掛けられ、その上に手術器具の台が置かれました。そのままの姿で数分待ちました。彼は、私の今の状態をみてびっくりしていました。

彼と看護婦さんが声を掛けてくれました。彼は「ごめん、ごめん」ばかり言っていました。

手術中、ずっと、手を握ってくれていました。また、手術が終わるまで横にいてくれました。どんなに安心したことでしょう。

急に私の周りが慌しくなり、先生が来られ、私に「では、はじめるから。」と声を掛け、手術台がかなりの高さまで上がりました。

無影灯も調整され、まず昨日のラミナリアとガーゼを抜き、点滴に麻酔薬を入れるように看護師さんに指示し、軽い全身麻酔状態になりました。

麻酔の効きが悪いのか、なんとなく中絶手術の事を覚えています。

まず、看護師さんから先生にクスコが渡り、膣の中を丁寧に消毒され、そして、金属の棒が数本、膣の中に入り、胎児を掻き出している様子が確認できました。

胎児は取り出されると、すぐに別の場所に持っていかれました。後で彼に聞くと、かわいそうで見れなく、涙が出たそうです。

それから膣内を洗浄され、中絶手術は終わりました。中絶手術は30分程度、かかったと思います。

看護婦さんに終わったと聞いた時は涙がこぼれ、涙をふいてもらいました。手、脚の固定が外してもらい、痛み止めの坐薬が入り、厚いガーゼが当てられ、T字帯をはかされました。

そして、新たな点滴がされ、手術着を着せられ、心電図などの医療器具を外すことなく、看護婦さんに抱えられ、手術台からストレチャーに乗せられ、病室に戻り、また、ベットに移動してもらいました。

数時間、ベットで休みました。彼もそばにいてくれました。「大丈夫か」など声を掛けてくれました。

午後に先生による術後検診が病室で行なわれました。ベットの上で、横になったまま、膝を立て、開脚状態で内診がありました。

T字帯を外し、ガーゼは鮮血で真っ赤でした。術後は順調とのことで、ここで、心電計・血圧計・導尿管・酸素チューブを外してもらい、膣の中にガーゼを数枚入れられ、、ナプキンを付け、ショーツを履かせてもらいました。ガーゼは夕方、自分で外すように指示がありました。あと、点滴が終わると、帰宅の許可が出ました。

着替えて、薬と痛み止めの坐薬をもらい、帰宅しました。

夕方、ガーゼを抜くため、トイレに行きましたが、ガーゼは赤く染まっていました。まだ、少しの出血があるようです。

夜、下腹部が痛み、坐薬を入れ、痛みを和らげました。

ナプキン交換も数時間に一度、必要で、徐々に出血は続き、数日、続きました。何度か検診に行きました。特に異常はありませんでした。

このことで、彼との絆も深まりました。

この経験が今後に生かせればいいと思います。仕事に対しても、患者さんの気持ちが理解できるようになりました。しかし、中絶手術は2度と受けません。

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