【中絶手術完全ガイド】
避妊方法についてをご説明
避妊具による避妊について
コンドーム
コンドームは、セックスの始めから終わりまで必ず使用し続けることが大切な品です。途中でコンドームを着けようとして間に合わなかったり、セックスの途中でコンドームから精液が漏れてしまったことによる失敗も多くあります。
また性感染症の予防という意味では、性器を相手の口や性器に直接触れる前にコンドームを装着していなければ、ほとんど意味がありません。梅毒や尖圭コンジローマ、性器ヘルペスウイルス感染症の場合は、コンドームで予防することはできません。
IUDとは
低用量ピルの次に避妊の効果が高く、一度IUDを挿入してしまえば、数年は他の避妊をする必要がないなどの手軽さがあります。最近ではIUDの材質の進化が急速に行われてきており、銅または黄体ホルモンを付けた薬剤負荷IUDが広く利用され、特に銅負荷IUDが主流となっていて、従来型のIUDは次第に利用されなくなってきました。
IUDの長所は一度IUDを装着したら、3年くらいでメンテナンスをする程度で他に何もする必要がありません。装着後子供を生まないつもりであれば、そのまま入れっぱなしでもよいとされています。セックスの度に避妊具を装着する手間や、低用量ピルの飲み忘れ等の問題もありません。
短所としては、性感染症の感染が稀にあること、体内に異物を挿入するということ、また、受精をすること自体は防げませんから、子宮外妊娠をしてしまう恐れがあるということ等です。もしセックスをした後、生理がこなければ子宮外妊娠も考慮する必要があります。
殺精子剤
セックスを行う直前に腟内に精子を殺す薬剤を入れておき、その後射精された精子を殺してしまう避妊法です。有効成分は界面活性剤で、薬剤の濃度や量が不足すると避妊の効果が落ちてしまいます。副作用はほとんどないため、手軽に使用することができます。
しかし、正しく続けて使用した場合でも、1年間での失敗率(妊娠する確率)はOC(ピル)の場合の60倍ほどになるため、あまり確実な避妊法とは言えないでしょう。
ペッサリー
男性に装着するコンドームとは正反対で、女性側が装着する避妊具で、女性側の意思をもって避妊することができます。原理としては、子宮口をゴム製のふたで覆ってしまい、その隙間には、薬を塗っておいて、子宮へ精子が入ることをできなくしてしまうという方法です。予め殺精子剤をペッサリー塗布して、セックスの前に装着します。そして、射精後6時間位経過したら、取り出します。
取り出した後は綺麗に洗浄して保管しておきます。コンドームとは違って何度でも利用することができます。大体一度購入すると、約3年くらい使用可能といわれています。
ピルとは
ピルとは卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれた薬を飲むことで、排卵を抑制して避妊します。
きちんと用法用量を守って正しく服用していれば避妊効果も高く、もっとも確実な避妊方法と言えるでしょう。
しかし、残念ながら日本でのピルの利用率は、欧米諸国と比べても格段に低いのが現状となっています。
その他の方法による避妊について
オギノ式避妊法
荻野久作氏によって考案された避妊方法です。「荻野学説」を基にして作られました。オギノ式避妊法と呼ばれ、世間ではよく知られている避妊法です。
原理としては、排卵の起こる5日間に、射精された精子の生存期間を3日として追加した、計8日間を最も妊娠の確率の高い日と定義します。次回の月経開始予定日から遡って数えて、12~16日の間は排卵期間であり、精子の生存期間を考慮すると12~19日前の8日間をコンドーム等を使うなどの方法をとれば、それ以外の日は避妊はいらないとする方法です。
膣外射精法
文字通りの避妊方法です。射精の直前に、ペニスを膣の外に出して射精する方法です。
一見、理にかなった方法のように見えますが、精子は射精した時にだけ出ているわけではないのです。知らない人も多いのですが、射精前からも僅かながら、男性が気がつかない程度の量で精子が漏れ出している事がよくあります。
これではせっかく我慢して膣外射精しても、完璧な避妊をするのは到底無理です。
基礎体温法
通常月経周期の中には、低温期と高温期の2つの時期があります。
低温期は文字通り、体温が低い時期のことです。低温期は月経後、約2週間継続します。これは女性ホルモンに関係していて、その女性ホルモンのエストロゲンの影響で体温が低くなるのです。
その後、排卵が起こると、体温はガクッと下がります。そして、直ぐに今度は逆に体温が高くなってきます。
これはプロゲステロンという女性ホルモンの働きによるものです。そして、また月経が始まるのです。
こうして排卵日をチェックして、排卵日を避けてセックスするわけです。
この方法は、排卵日を予測するのですが、女性の体調次第では、体温は月経と関係なしに上下しますし、高温期と低温期の区別があまりはっきりしないという人も少なくないです。
28日周期でくるという確実な証拠もありませんから、ある程度の勘であったり、確実性が乏しかったりします。
頚管粘液法
頚管粘液法は、女性のおりものの状態から排卵日を予測するという方法です。
おりもの状態は、月経周期に応じて変化します。毎日、指を膣に挿入して、指についたおりものの状態をチェックします。月経直後はおりものの量は少なく、粘度は高いです。
その後、おりものの量は増え始め、無色透明となり、粘度は低くなります。この状態が2~3日間継続した後、元の粘度の高い状態になります。そのため、おりもの粘度が低い2~3日間の間が排卵日という予測を立てることができます。
そのことから、おりものの粘度が高い時は射精された精子は動きにくい状態であることが、簡単に予測できます。
当然、排卵日の粘度が低いおりものの時は、精子は行動しやすく、受精しやすい状態であることも予想できます。
NFP法
世界中には国によっては経済的な理由、宗教的な理由から、コンドームやペッサリーまたはピルやIUDなどの避妊具が手に入らない、あるいは使用する事が許されないという人たちもいます。
また、薬に対して副作用や知られざる影響を気にして、絶対に使いたくないという人もいます。これらの方たちは、自然のままの避妊方法を利用するしかありません。
NFP法は natural family planningの略したものになります。
自然家族計画法と訳し、基礎体温表と頚管粘液法を組み合わせたもので自然な形での避妊を実行します。
主に、排卵日を予測して、妊娠の可能性のある日はセックスしない、もしくは、膣内では射精しないなどの方法がとられます。
当然のことですが、避妊具をしっかり使った避妊方法に比べて、確実性はあまりありません。
ピルによる避妊について
ピルの避妊効果
ピルの避妊方法は、女性ホルモンを利用して排卵が起こらないようにするという方法をとります。
ピルは月経をコントロールするために利用される場合もありますが、ピルの主な目的は排卵を抑えて妊娠しにくくすることです。
その効果は高く、正しく服用しさえすれば十分な避妊効果が得られることでしょう。
ピルは女性ホルモンの働きによって、排卵を抑える働きと、精子が子宮の内部に入りにくい環境にすることで、ダブルの避妊効果を得ることができます。
ピルには子宮に入ってきた精子を殺す作用はありませんが、子宮に入ってきても精子が留まる事ができなくしています。
ピルの服用方法
ピルは女性の月経周期にあわせて服用します。
普通の女性であれば月経の28日間を利用して、毎日服用することで避妊を行います。通常ピルはホルモン剤が入っている薬が21日分で、その後7日間ピルの服用を休みます。その服用を休んでいる7日間は月経のような出血が起こります。
ピルは28日分が1シートで1セットになっているので、必ず1シートごとに飲むようにしましょう
ピルの飲み忘れが起こってしまうと、当然の如く避妊の効果が無くなってしまうので、ピルは毎日正しく服用し続けなければなりません。
万が一飲み忘れた場合でも飲み忘れから2日以内であれば対処する事は出来ますが、出血量が多くなっってきた時には女性ホルモンの量が少なくなってしまった証拠ですから、また新しいシートに取り替えて1日目からやり直さなければなりません。
ピルの入手方法
ピルはホルモン剤なので、ドラッグストアでは買えず、医師の処方箋がなければ手に入れることは出来ません。
海外では無料でピルを入手することが可能な国もあるようですが、日本ではピルを手に入れるには産婦人科の初診料とピルの費用が必要になってきます。
初めてピルを必要とする際には、必ず医師による診察が行われます。その際に、基礎体温表を作成して持っていくと、月経周期やホルモンの状態などを把握しやすくなり、診察がスムーズに進みます。
検査では血液検査、身長、体重、尿検査、採血など多くの項目を検査します。その人にあったホルモンの量を調べ、適切な量のピルを処方する為です。また、肝臓に問題が無いか採血を行って検査します。
ピルを処方してもらうだけなら検査を行うだけで良いのですが、ピルを正しく利用する為にも性感染症の事や正しいピルの服用の仕方などについても同時に教えてもらうといいでしょう。
飲み忘れた場合
①翌日の服用時間までの間に飲み忘れに気付いた時
飲み忘れに気付いた時点で飲み忘れた分の1錠をすぐに服用し、さらにその次の服用時間からも通常どおりの時間にピルを服用してください。
②翌日の服用時間に飲み忘れに気付いた時
前日の分と合わせて2錠のピルを服用してください。
③2日以上連続して飲み忘れてしまっていた時
その周期のシートの服用を一旦中止し、次の月経の初日から新しいシートで飲み始めてください。