中絶手術後の影響リスク

【中絶手術完全ガイド】
中絶手術の影響・リスクについてご説明

心への影響

中絶手術に伴う心の傷

医療の発展とともに、中絶手術の身体への影響やリスクは、確かに低くなってきています。

しかし、どんなに医療が発展したとしても、心に与える影響はまったく変わる事はありません。

どんなに強い精神力をもった女性であっても、中絶、つまりは自分の身体に宿った命を絶てば、心にとても大きな影響を与えます。
耐え難い罪悪感に悩まされ、中絶手術に伴う心の傷をずっと引きずる事になるのです。

そうならない為にも、避妊対策は絶対に欠かしてはならないのです。
安心して性行為をする為にも、また相手と良い関係を保つ為にも、ピルを使用し確実な避妊をする事が大切です。

日本では、ピルはあまり一般的な避妊アイテムでは無いです。ですが、女性が主体となって避妊が出来ますので、確実な避妊を望むのなら、とても有効な避妊アイテムになります。

中絶後遺症候群(PAS)とは

中絶経験者の約20%の人が「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」と診断できる症状に苦しんでいます。
この「PTSD」に繋がるストレスが「中絶」である時に、これを「中絶後遺症候群(PAS)」と呼びます。

多くの女性は中絶を経験した後、自分の感情を抑圧します。この抑圧された感情が、心身症や、精神病的あるいは行動面での病気を引き起こす事もあります。

中絶後遺症候群(PAS)の主な症状

PASの主な症状は、過剰反応、侵害行為、抑圧の3つに分類されます。

過剰反応

過剰反応の症状には、誇張した驚きの反応・苦悶発作・短気・怒りや激怒の爆発・攻撃的行動・集中障害・過剰警戒・熟睡障害や不眠・手術と似た状況にさらされた時に即座に起きる生理的な反応(脈拍が上がったり汗をかく)などがあります。

侵害行為

侵害行為の症状には、中絶の事や中絶した子どもの事を繰り返し考えたり、中絶の時の様子を一瞬、再経験するフラッシュバックや中絶や子どもの悪夢を見たり、中絶した子どもの出産予定日や中絶した日になると強烈な悲しみを感じたりうつ状態になったりする事があります。

抑圧

抑圧には、中絶した事や中絶の重要な場面を思い出せない事、中絶の記憶を呼び覚ますかもしれない活動や状況を避けるよう努める事、特に中絶の決定に関わった人たちとは距離をおき、人づきあいをやめる事、子どもを避ける事、中絶に関する思考や感情を回避したり否定しようとする事、愛情や優しさを感じる範囲を制限する事、縮小された未来感、以前は楽しくしていた活動に対する関心の減少、麻薬やアルコールの乱用、自殺願望や自殺行動、その他の自虐的傾向などがあります。

中絶体験とストレス

多くの女性は、恋人・夫・男友達・両親や他の人から、望まない中絶を強制される事もあります。そのような事を、ストレスと感じる女性は少なくありません。
このようなストレスが解消されない場合「中絶後遺症候群(PAS)」となる場合があります。

パートナーとの関係に関する不安のストレス

「出来たら産もうね」「結婚しようね」と言っていた彼が妊娠を告げた途端「堕ろして欲しい」と。

”産む”つもりが”産めない”事になって落胆する事になります。

思ってもみなかった妊娠と中絶という体験は、恋人関係や夫婦関係の危機をもたらす事もあります。

今後のパートナーとの関係についての不安や信頼関係の崩壊でストレスを抱える事になります。

自分のあり方への葛藤のストレス

最初から中絶しようと思って妊娠する人はいないでしょう。

妊娠・中絶の体験によって、性に対する考え方や欲望のありかた、自分自身の存在についても考えるようになります。

”自分を変える事”を迫られ、”それまで通りには生きていけなくなる”人生の挫折を体験する事にもなります。

罪悪感のストレス

命を消すことを選択した自分自身を”犯罪者”や”加害者”のように感じたり、無事手術が終わったことの安堵を感じてしまった自分に罪悪感を感じ、ストレスとなる事もあります。

中絶した後、再び妊娠した女性は、中絶の罰として”赤ん坊が奇形”になるのではないか、あるいは”流産”するのでは無いかと必要以上に恐れます。

赤ちゃんへの思い

何とかして失われた赤ちゃんへの償いをしようとする女性がたくさんいます。ペットやぬいぐるみを赤ちゃんの身代わりのように扱う女性もいます。

また、「もう一度戻ってきて欲しい、次は産んであげる…」そんな思いから再び妊娠することがよくあります。

身体への影響

身体に及ぼす影響

中絶手術中に子宮へ傷をつけてしまい「習慣性流産」の原因になったり、子宮に穴をあけてしまい「子宮外妊娠」や「不妊症」の原因になる事もあります。

中絶手術が母体に及ぼす影響をいくつかご紹介いたします。

子宮損傷

中絶手術は、子宮の入口を無理やり広げますので、傷をつける可能性があります。
他にも、子宮内を掻いたり吸引したりする事で、子宮に穴を開けてしまう事も考えられます。
これらは、多量な出血が起こる危険性があり、最悪、命に関わる事になります。

感染

手術の影響や術直後の不摂生や性交渉により、子宮やその他の臓器に炎症を引き起こす可能性があります。
最悪、不妊症の原因になりますので、医師の指示のもと、しっかりと自己管理をしましょう。

胎児の一部が残ってしまう

中絶手術は、見えない部分の手術になりますので、胎児や胎盤の一部が残ってしまう事もあります。
少量の出血が続く場合は、子宮内に一部が残っている可能性を疑った方がいいでしょう。

後遺症

中絶手術は必ず成功する手術ではございません。後遺症が残るリスクが有る事を忘れないで下さい。

代表的な後遺症をいくつかご紹介いたします。

精神的後遺症

中絶の後遺症には身体的なモノ以外にも、精神的なモノもございます。
中絶した事への罪悪感から男性不振に陥ったり、妊娠への恐怖感から、不感症や不快症になる・Hを拒絶するなど、中絶が心の傷となり精神的影響を及ぼす事もございます。

続発性不妊症

中絶でできた子宮内の傷に細菌が入り、炎症が卵管まで及ぶと、卵管が癒着し受精が不可能になり不妊症になります。

子宮外妊娠

手術により卵管に炎症が起こると卵管が狭くなり、受精卵が子宮までたどり着かず、卵管内に着床してしまい子宮外妊娠となります。

流産・早産

無理に頸管を広げた為、収縮力が損なわれ、その結果、流産や早産がしやすくなります。

月経異常

中絶により、ホルモンバランスが崩れ、無月経や月経困難症、月経不順、おりものの変化などの異常が起こります。

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